クラウドAIとエッジAIの違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説

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まりか | 【近未来ブログ】DXのすこし先へ

【著者名】"まりか"

神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。

外資系大手証券会社で、アナリストとして海外情勢やブロックチェーン技術についての調査・コンサルタント業務に従事。
5年間の業務の後に、AI・ブロックチェーンのベンチャー企業に「マーケティング責任者(CMO)」として参画。

Web3.0、仮想通貨、AI活用などのマーケティング業務を行う。2年前に独立・起業。現在は、在宅で中小企業向け「DXコンサルタント」をしながら、黒猫とのんびり暮らしています。

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クラウドAIとエッジAIの違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説

こんにちは、まりかです。AIは、人間の知能を人工的に再現したシステムやソフトウェアのことで、近年、製造業や自動車産業、農業、医療など、幅広い分野で活用されています。

そんなAIの中でも、クラウドAIとエッジAIという2つのタイプが注目されています。クラウドAIとエッジAIは、どう違うのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットは何でしょうか?

この記事では、クラウドAIとエッジAIについて、基礎知識や活用事例を交えながら、わかりやすく解説します。

クラウドAIとは

クラウドAIとは、クラウド上でデータの学習や推論を行うAIのことです。

クラウドAIでは、IoT機器やセンサーなどの端末から収集した大量データを、インターネットを通じてクラウドに送信します。そして、クラウド上のデータセンターにある高性能なコンピューターで高速処理して学習・推論を行った後、判断を端末に送ります。

クラウドAIのメリット

クラウドAIのメリットは、以下のような点が挙げられます。

– 大容量かつ複雑な処理ができる

 – クラウド上でデータの蓄積や推論を行うため、パソコンでは処理が難しいような大容量で複雑なデータの処理にも対応できます。

– サーバーや端末への負荷を抑えられる

 – 学習・推論がクラウド上で行われるため、サーバーや端末にかかる処理の負荷を抑えられます。サーバーや端末そのもののコストと管理の負担軽減につながります。

– 学習済みのAIも提供されている

 – Amazon Web ServiceやMicrosoft Azureなどのクラウドサービス上で、すでに学習が完了した状態で提供されているクラウドAIもあります。学習済みのクラウドAIなら、学習用のデータを集めて一から学習させる必要もありませんし、リーズナブルな価格ですぐに試用することもできます。

クラウドAIのデメリット

一方で、クラウドAIには以下のようなデメリットもあります。

– インターネット環境に依存する

 – クラウドAIでは、インターネット経由でクラウド・端末間のデータ送受信が行われます。そのため、膨大な量のデータを扱う際は、送受信や処理の際に遅延が発生する可能性があります。また、クラウド・端末間での膨大なデータのやりとりによって、通信コストが増えることがある点もデメリットの一つです。

– セキュリティリスクが高まる

  – クラウドAIがインターネット経由でやりとりした膨大なデータは、クラウド上に保存されます。これにより、情報漏えいやサイバー攻撃などのセキュリティリスクが高まることにも注意が必要です。

エッジAIとは

エッジAIとは、端末で入力された情報をクラウドに送る前にAI処理を行う仕組みのことです。

エッジAIでは、端末で収集したデータを基に端末内で推論を処理して、瞬時に判断を出します。その後、端末で処理したデータをクラウド上に送信して、学習モデルを作成・学習用データを保存します。

現時点では、エッジAIのみを用いたシステムの実現が困難であることから、エッジAIとクラウドAIを組み合わせたハイブリッド型の活用が一般的です。

エッジAIのメリット

エッジAIのメリットは、以下のような点が挙げられます。

– リアルタイムな判断ができる

  – エッジAIは、AI処理を端末側で行うため、判断を出してから受け取るまでのタイムラグが発生しないメリットがあります。これにより、端末制御や状況把握をリアルタイムで行うことが可能です。

– 通信コストを削減できる

  – エッジAIは、端末側で処理した後に学習に必要なデータのみをクラウドへ送信します。端末内のすべてのデータを送るクラウドAIよりもデータ容量が小さくなるため、通信コストを抑えられるメリットがあります。

– セキュリティを強化できる

  – 推論と学習を異なる場所(端末とクラウド)で行うエッジAIは、情報漏洩のリスクが懸念される重要データを端末内に留めながら処理することが可能です。インターネットを経由せずに処理することで、ネットワーク環境のセキュリティを強化できます。

エッジAIのデメリット

一方で、エッジAIには以下のようなデメリットもあります。

– 処理能力に限界がある

  – 端末の大きさや消費電力を考慮すると、端末に搭載できるリソースには限界があります。そのため、高度な計算や判断は難しい場合があります。

– 導入ハードルが高い

– 端末側で推論を行うためには、端末自体にAIの機能を搭載する必要があります。そのため、導入にはハードウェアの開発や更新が必要になる場合があります。また、端末ごとに最適なAIモデルを作成することも必要です。これらの作業は、クラウドAIに比べて導入ハードルが高いと言えます。

クラウドAIとエッジAIの違い

ここまで、クラウドAIとエッジAIのそれぞれのメリット・デメリットを見てきました。では、具体的にどのような場合にクラウドAIを選ぶべきなのでしょうか?また、どのような場合にエッジAIを選ぶべきなのでしょうか?

クラウドAIとエッジAIの違いをまとめると、クラウドAIとエッジAIはそれぞれ異なる特徴を持っています。そのため、自社の課題や目的に応じて、最適な方を選択することが重要です。

クラウドAIとエッジAIの活用事例

それでは、実際にクラウドAIとエッジAIはどのように活用されているのでしょうか?ここでは、日本の具体的なサービス名や企業名を挙げて、活用事例を紹介します。

クラウドAIの活用事例

– Amazon Rekognition

  – Amazon Web Serviceが提供する画像認識サービスです。顔認識や物体認識などの機能があります。クラウド上で学習済みのモデルを利用することで、高精度な画像分析が可能です。

– Google Cloud Natural Language

  – Google Cloud Platformが提供する自然言語処理サービスです。文章理解や感情分析などの機能があります。クラウド上で学習済みのモデルを利用することで、高度な文章分析が可能です。

– ニューラルポケット

  – 株式会社ニューラルポケットが提供する人工知能開発プラットフォームです。画像認識や音声認識などの機能があります。クラウド上で学習済みのモデルやカスタマイズ可能なモデルを利用することで、簡単に人工知能開発が可能です。

エッジAIの活用事例

– Pocketalk

  – 株式会社ソースネクストが提供する翻訳機です。音声認識や音声合成などの機能があります。端末内で音声の推論を行うことで、リアルタイムな翻訳が可能です。

– HoloLens 2

  – マイクロソフトが提供する拡張現実(AR)デバイスです。画像認識や手指認識などの機能があります。端末内で画像の推論を行うことで、高速なAR体験が可能です。

– NVIDIA Jetson

  – NVIDIAが提供するエッジAI向けのコンピューティングプラットフォームです。画像認識や音声認識などの機能があります。端末内で高度なAI処理を行うことが可能です。

まとめ

この記事では、クラウドAIとエッジAIについて、基礎知識やメリット・デメリット、活用事例を紹介しました。

クラウドAIとエッジAIは、それぞれ異なる特徴を持っています。そのため、自社の課題や目的に応じて、最適な方を選択することが重要です。

クラウドAIは、大容量かつ複雑な処理が得意で、導入ハードルも低いです。しかし、インターネット環境に依存するため、リアルタイム性やセキュリティには課題があります。

エッジAIは、リアルタイムな判断が得意で、通信コストやセキュリティリスクも低いです。しかし、処理能力に限界があるため、高度な計算や判断は難しい場合があります。また、導入ハードルも高いです。

この記事が、クラウドAIとエッジAIの違いやメリット・デメリットを理解するのに役立ったら嬉しいです。

よくある質問と答え

1. 質問: クラウドAIとエッジAIの主な違いは何ですか?

答え: クラウドAIはデータを中央のサーバーに送信して処理を行う方式です。一方、エッジAIはデータの生成元(例: IoTデバイスやスマートフォンなど)で直接データ処理や分析を行う方式を指します。つまり、クラウドAIは中央集権的な処理、エッジAIは分散型の処理を特徴としています。


2. 質問: エッジAIのメリットは何ですか?

答え: エッジAIの主なメリットには以下のような点が挙げられます。

  • レイテンシの低減: データ処理を現地で行うため、通信遅延が少なくなります。
  • プライバシーの保護: データを中央のサーバーに送信しないので、情報漏えいのリスクが低減します。
  • ネットワークトラフィックの削減: クラウドとのデータ通信量が少なくなるため、ネットワークのコストやトラフィックが削減されます。

3. 質問: クラウドAIのデメリットは何ですか?

答え: クラウドAIのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 通信遅延: 大量のデータをクラウドにアップロードするため、レスポンスに時間がかかることがあります。
  • データのセキュリティ: 中央のサーバーへのデータ転送中にデータが漏洩するリスクが考えられます。
  • 通信コスト: 大量のデータをクラウドに送信するため、通信コストが増加する可能性があります。

4. 質問: どのようなシチュエーションでエッジAIを選ぶべきですか?

答え: リアルタイムの応答が求められるアプリケーション、モバイルデバイスやIoTデバイスなどのバッテリー消費を抑えたい場合、通信環境が不安定な場所での動作、またはデータのプライバシーを重視するアプリケーションなどでエッジAIの導入を検討すると良いでしょう。


5. 質問: クラウドAIとエッジAI、どちらがパフォーマンスが高いのですか?

答え: 一般的に、クラウドAIは高性能なサーバーリソースを背景に持つため、大規模なデータセットや複雑なモデルの処理には向いています。一方、エッジAIはリソースが限られていることが多いですが、低レイテンシでの動作が可能です。適切な選択は、具体的な用途や要件に応じて決める必要があります。

参考書籍:

– 『クラウドAI入門』(石井健一郎・著)

– 『エッジAI実践ガイド』(松本裕一郎・著)


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