ブロックチェーンのデメリットを理解しよう!ハッキングやデータ消去などリスクを徹底解説

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まりか | 【近未来ブログ】DXのすこし先へ

【著者名】"まりか"

神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。

外資系大手証券会社で、アナリストとして海外情勢やブロックチェーン技術についての調査・コンサルタント業務に従事。
5年間の業務の後に、AI・ブロックチェーンのベンチャー企業に「マーケティング責任者(CMO)」として参画。

Web3.0、仮想通貨、AI活用などのマーケティング業務を行う。2年前に独立・起業。現在は、在宅で中小企業向け「DXコンサルタント」をしながら、黒猫とのんびり暮らしています。

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まりか
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この記事の要約です♫

ブロックチェーンは革新的な技術ですが、セキュリティ、スケーラビリティ、エネルギー消費、ガバナンスなどの課題を抱えています。ハッキングや51%攻撃のリスク、処理速度の限界、環境負荷の高さ、分散型システム特有の意思決定の難しさなどが問題点として指摘されています。これらの課題に対応するため、コミュニティでは技術面での改善や法整備、ステークホルダー間の協力など、多角的なアプローチが進められています。ブロックチェーンの発展には課題の克服が不可欠ですが、その将来性には大きな期待が寄せられています。

こんにちは、フリーランスのDXコンサルタントをしているまりかです。今回は、ブロックチェーン技術のデメリットについて、私の知見と経験を交えながら解説していきたいと思います。

ブロックチェーンは、分散型台帳技術であり、暗号通貨や金融、サプライチェーンなど、さまざまな分野で応用されている革新的な技術です。透明性、セキュリティ、不変性などの特徴により、従来の中央集権型システムの問題点を解決する可能性を秘めています。

しかし、ブロックチェーンにも課題やリスクが存在することを忘れてはいけません。ハッキングやデータ消去、プライバシーの問題など、技術の普及に伴って新たな課題が浮上しています。

本記事では、ブロックチェーンのデメリットについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。また、ブロックチェーンを導入する際に考慮すべきリスクや対策についても触れていきます。私自身の経験や所感も交えながら、ブロックチェーン技術の課題について理解を深めていただければと思います。

それでは、ブロックチェーンのデメリットについて、一緒に探っていきましょう。

第一部:ブロックチェーンのセキュリティリスク

ハッキングの脅威

ブロックチェーンは、高度な暗号技術によって保護されていますが、完全に安全とは言えません。実際に、ブロックチェーン上で動作する分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトのバグを突いたハッキング事件が報告されています。

例えば、2016年にイーサリアムのスマートコントラクトである「The DAO」がハッキングされ、約6,000万ドル相当のETHが盗まれました。この事件は、スマートコントラクトのコードの脆弱性が原因でした。

また、2018年には仮想通貨取引所のCoincheckから約580億円相当のNEMが盗まれるという大規模なハッキング事件が発生しました。取引所のセキュリティ対策の不備が原因とされています。

51%攻撃の可能性

ブロックチェーンは、分散型ネットワークによって維持されています。しかし、一つのマイニングプールがネットワークの51%以上の計算力を占めると、「51%攻撃」と呼ばれる問題が発生する可能性があります。

51%攻撃が行われると、攻撃者はブロックチェーンの取引履歴を改ざんしたり、二重支払いを行ったりすることが可能になります。これにより、ブロックチェーンの信頼性が大きく損なわれてしまいます。

実際に、2018年にはイーサリアムクラシックが51%攻撃を受け、約100万ドル相当の二重支払いが行われました。また、2019年にはビットコインキャッシュが51%攻撃を受けたことが報告されています。

プライベートキーの管理リスク

ブロックチェーンでは、プライベートキーが資産の所有権を証明する重要な役割を果たします。しかし、プライベートキーを失くしたり、盗まれたりすると、資産にアクセスできなくなるリスクがあります。

実際に、プライベートキーの管理ミスによって多額の仮想通貨を失ったユーザーは少なくありません。2013年には、イギリスの投資家が7,500ビットコインを保存したハードディスクを誤って捨ててしまい、約500万ドル相当の損失を出したことが報道されました。

私自身も、フリーランスのDXコンサルタントとして、企業のブロックチェーン導入支援を行う中で、セキュリティ対策の重要性を痛感しています。プライベートキーの適切な管理方法やハッキング対策の徹底は、ブロックチェーン活用における大前提だと言えるでしょう。

ブロックチェーンのセキュリティリスクは、技術の普及に伴って常に変化しています。ユーザーや企業は、最新のセキュリティ動向を把握し、適切な対策を講じることが求められます。次の部では、ブロックチェーンのスケーラビリティの問題について解説します。

第二部:ブロックチェーンのスケーラビリティの課題

トランザクション処理速度の限界

ブロックチェーンは、分散型ネットワークによって取引を処理するため、従来の中央集権型システムと比較して処理速度が遅いという課題があります。

例えば、ビットコインのブロックチェーンでは、1秒間に処理できるトランザクション数は約7件程度です。一方、国際的な決済ネットワークであるVisaは、1秒間に約2万4,000件のトランザクションを処理できます。

この処理速度の限界は、ブロックチェーンの大規模な普及における障壁の一つとなっています。特に、金融や決済の分野では、大量のトランザクションを高速に処理する必要があるため、現状のブロックチェーンでは対応が難しいと言えます。

ブロックサイズの制限

ブロックチェーンでは、一定数のトランザクションをまとめて「ブロック」として処理します。しかし、ブロックサイズには上限があるため、一度に処理できるトランザクション数に制限があります。

例えば、ビットコインのブロックサイズの上限は1MBです。これは、ネットワークの分散化と安全性を維持するために設定されています。しかし、トランザクション数が増加すると、ブロックサイズの制限によって処理が遅延し、手数料の上昇を招く可能性があります。

2017年には、ビットコインのブロックサイズ制限によって、トランザクション処理の遅延と手数料の高騰が発生しました。この問題をめぐって、ビットコインコミュニティ内で「ブロックサイズ論争」と呼ばれる激しい議論が交わされました。

スケーラビリティ向上に向けた取り組み

ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決するために、さまざまな取り組みが行われています。

例えば、ビットコインでは「ライトニングネットワーク」と呼ばれる二階層ネットワークが開発されています。これは、ブロックチェーン外で高速な取引を可能にする技術です。また、イーサリアムでは「シャーディング」と呼ばれる、ブロックチェーンを複数の断片に分割して処理する技術が開発されています。

私が以前勤務していたAI・ブロックチェーンのベンチャー企業でも、独自のスケーラビリティ向上技術の開発に取り組んでいました。ブロックチェーンのスケーラビリティ問題は、技術の実用化における重要な課題の一つであり、今後も継続的な研究開発が必要とされています。

次の部では、ブロックチェーンのエネルギー消費の問題について取り上げます。ブロックチェーンが抱える課題は、技術的な側面だけでなく、環境への影響という観点からも考える必要があります。

第三部:ブロックチェーンのエネルギー消費問題

プルーフ・オブ・ワークの高いエネルギー消費

ブロックチェーンの合意形成アルゴリズムの一つである「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、膨大な計算処理を必要とするため、多大なエネルギーを消費します。

例えば、ビットコインのマイニングに使用される電力量は、年間で約70テラワット時(TWh)と推定されています。これは、スイス全国の年間電力消費量に匹敵する規模です。また、イーサリアムのマイニングにも、年間約50TWhの電力が消費されていると試算されています。

このような大規模なエネルギー消費は、環境負荷の観点から大きな問題となっています。化石燃料に依存した電力供給が主流の地域では、ブロックチェーンのマイニングが温室効果ガスの排出を助長する可能性があります。

マイニング拠点の地理的偏在

ブロックチェーンのマイニングは、電力コストが安い地域に集中する傾向があります。

例えば、中国の四川省や新疆ウイグル自治区は、水力発電による安価な電力供給を背景に、大規模なマイニング拠点が集積しています。また、カザフスタンやイランなどの国々でも、安価な電力を求めてマイニング事業が拡大しつつあります。

この地理的偏在は、ブロックチェーンの分散性や耐障害性を低下させる要因の一つとなっています。特定の地域に依存したマイニングは、自然災害や政策変更などのリスクを抱えています。

また、マイニング拠点の集中は、地域の電力需給バランスに影響を与える可能性もあります。2021年には、中国が暗号資産関連活動の規制を強化したことで、大規模なマイニング拠点の停止が相次ぎ、電力不足が緩和されたというニュースが報じられました。

環境配慮型の合意形成アルゴリズム

ブロックチェーンのエネルギー消費問題に対応するために、より環境配慮型の合意形成アルゴリズムの開発が進められています。

その一つが、「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」と呼ばれるアルゴリズムです。PoSでは、マイニングに必要な計算処理を大幅に削減し、エネルギー消費を抑えることができます。

例えば、イーサリアムは、従来のPoWからPoSへの移行を進めています。この移行により、イーサリアムのエネルギー消費量は99.95%削減されると見込まれています。また、カルダノやポルカドットなどの新しいブロックチェーンプロジェクトでも、PoSが採用されています。

私が以前勤務していたベンチャー企業でも、環境負荷の低いブロックチェーン技術の研究開発に取り組んでいました。ブロックチェーンの持続可能性を高めるためには、エネルギー効率の向上が不可欠だと考えます。

次の部では、ブロックチェーンのガバナンスの問題について解説します。分散型システムであるブロックチェーンには、意思決定プロセスの課題があることを理解しておく必要があります。

第四部:ブロックチェーンのガバナンスの問題

分散型ガバナンスの意思決定の難しさ

ブロックチェーンは、中央集権的な管理者を必要としない分散型システムです。しかし、この特徴が意思決定プロセスにおける課題を生み出すこともあります。

例えば、ブロックチェーンのプロトコル変更やアップグレードの是非をめぐって、コミュニティ内で意見の対立が生じることがあります。2017年には、ビットコインのブロックサイズ拡大をめぐって、「ビットコインキャッシュ」というハードフォークが実施されました。このように、利害関係者間の合意形成が難しい場合、ブロックチェーンが分岐するリスクがあります。

また、ブロックチェーン上で発行されるトークンの役割や権限を設計する際にも、ガバナンス面の課題が浮上します。トークンホルダーの投票権やプロジェクトの意思決定への関与方法など、ステークホルダー間のパワーバランスを慎重に考える必要があります。

非中央集権的な紛争解決の仕組みの欠如

ブロックチェーンでは、取引の正当性を保証する中央機関が存在しません。このため、スマートコントラクトの不具合やユーザー間の紛争が発生した場合、解決のための明確な仕組みが欠如しています。

例えば、2016年に発生したThe DAOのハッキング事件では、コミュニティ内で対応方針をめぐる激しい議論が交わされました。結果的に、ハードフォークによる解決が図られましたが、合意形成のプロセスは混乱を極めました。

また、ブロックチェーン上の資産の法的な位置づけや、各国の規制の違いも、紛争解決を困難にする要因の一つです。国際的な法制度の整備が進んでいない現状では、ブロックチェーンをめぐる紛争の解決に時間を要するケースが多いと言えます。

ガバナンスの設計と改善に向けた取り組み

ブロックチェーンのガバナンス問題に対応するため、さまざまな取り組みが進められています。

例えば、イーサリアムでは、「EIP(Ethereum Improvement Proposal)」と呼ばれる改善提案のプロセスが定められています。EIPを通じて、コミュニティ内の議論を集約し、プロトコルの変更を民主的に決定することを目指しています。

また、一部のブロックチェーンプロジェクトでは、オンチェーンガバナンスと呼ばれる仕組みが導入されています。これは、ブロックチェーン上でステークホルダーの投票を行い、自動的に意思決定を実行するものです。カルダノやテゾスなどのプロジェクトが、オンチェーンガバナンスの仕組みを取り入れています。

私がDXコンサルタントとして関わったプロジェクトでも、ガバナンス設計の重要性を痛感しました。ブロックチェーンの分散性を維持しつつ、効果的な意思決定プロセスを構築することは、プロジェクトの成功に不可欠な要素だと言えます。

次の部では、ブロックチェーンに関するよくある質問について取り上げます。初心者の方が抱きやすい疑問や誤解を解消し、ブロックチェーン技術への理解を深めていただければと思います。

よくある質問

Q1. ブロックチェーンは完全に安全なシステムなのですか?

A1. ブロックチェーンは高度な暗号技術によって保護されていますが、完全に安全とは言えません。ハッキングやサイバー攻撃のリスクは常に存在します。また、スマートコントラクトのバグや設計上の欠陥が、セキュリティ上の脅威となる可能性もあります。ブロックチェーンのセキュリティを維持するためには、継続的なセキュリティ監査や脆弱性の修正が不可欠です。

Q2. ブロックチェーンの処理速度が遅いのはなぜですか?

A2. ブロックチェーンは分散型のシステムであり、多数のノードによって取引が検証されます。この分散型の合意形成プロセスに時間を要するため、処理速度が遅くなる傾向があります。また、ブロックサイズの制限やネットワークの混雑も、処理速度の低下を引き起こす要因です。処理速度の改善に向けて、ライトニングネットワークやシャーディングなどの技術開発が進められています。

Q3. ブロックチェーンのエネルギー消費量が高いのはなぜですか?

A3. ブロックチェーンの合意形成アルゴリズムの一つであるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)は、多大な計算処理を必要とするため、エネルギー消費量が高くなります。マイニングに使用される専用機器は、常に高い電力を消費しています。エネルギー効率の改善に向けて、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)などの新しいアルゴリズムの導入が進んでいます。

Q4. ブロックチェーンのハードフォークとは何ですか?

A4. ハードフォークとは、ブロックチェーンのプロトコルに互換性のない変更を加え、新しいバージョンのブロックチェーンを作成することです。ハードフォークが実施されると、元のブロックチェーンとは別の独立したチェーンが生まれます。過去には、ビットコインからのビットコインキャッシュ、イーサリアムからのイーサリアムクラシックなどのハードフォークが実施されました。

Q5. ブロックチェーンは今後どのように発展していくのでしょうか?

A5. ブロックチェーンは、金融、サプライチェーン、医療、エネルギー、公共サービスなど、さまざまな分野での活用が期待されています。特に、分散型金融(DeFi)やノンファンジブルトークン(NFT)の分野では、ブロックチェーンを基盤とした新しいサービスが次々と登場しています。今後は、ブロックチェーンのスケーラビリティやセキュリティ、エネルギー効率の改善が進み、より幅広い分野での実用化が進むと予想されます。

私がDXコンサルタントとして携わるプロジェクトでも、ブロックチェーン技術の可能性を追求し、新しい価値の創出に取り組んでいます。ブロックチェーンはまだ発展途上の技術ですが、着実に進化を遂げています。課題の解決と技術の成熟に向けて、今後も注目が集まるでしょう。

まとめと感想:

ブロックチェーンは、分散型台帳技術を基盤とした革新的なシステムであり、金融、サプライチェーン、公共サービスなど、さまざまな分野に大きな可能性を秘めています。しかし、本記事で解説したように、ブロックチェーンにはセキュリティ、スケーラビリティ、エネルギー消費、ガバナンスなどの課題が存在することも事実です。

セキュリティの面では、ハッキングや51%攻撃、プライベートキーの管理リスクなどが挙げられます。スケーラビリティについては、トランザクション処理速度の限界やブロックサイズの制限が障壁となっています。また、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムの一つであるプルーフ・オブ・ワークは、多大なエネルギーを消費するため、環境負荷の観点から問題視されています。ガバナンスの側面では、分散型システム特有の意思決定の難しさや紛争解決の仕組みの欠如が課題として浮上しています。

これらの課題に対して、ブロックチェーンコミュニティでは様々な取り組みが行われています。セキュリティ対策の強化、ライトニングネットワークやシャーディングによるスケーラビリティの改善、プルーフ・オブ・ステークなどのエネルギー効率の高いアルゴリズムの導入、ガバナンス設計の最適化などが進められています。

私自身、DXコンサルタントとしてブロックチェーンプロジェクトに携わる中で、この技術の可能性と課題の両面を実感してきました。ブロックチェーンは、従来のシステムでは実現が難しかった価値交換の仕組みを提供し、新しいビジネスモデルを生み出す力を持っています。一方で、技術の未成熟さや法制度の未整備など、克服すべき障壁も数多く存在します。

ブロックチェーンの本格的な普及のためには、技術面での改善だけでなく、ユーザーの理解促進や法整備、業界標準の確立など、多角的なアプローチが必要不可欠です。そのためには、開発者、企業、政府、ユーザーなど、あらゆるステークホルダーが協力し、建設的な議論を重ねていくことが求められるでしょう。

ブロックチェーン技術は、まだ発展の途上にありますが、その将来性には大きな期待が寄せられています。課題の克服と技術の進化を通じて、ブロックチェーンがより安全で効率的、かつ社会に価値をもたらすシステムへと成長していくことを願っています。私自身も、ブロックチェーンの可能性を追求し、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。

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