サイバーセキュリティの基礎知識と事例・対策をわかりやすく解説!

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まりか | 【近未来ブログ】DXのすこし先へ

【著者名】"まりか"

神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。

外資系大手証券会社で、アナリストとして海外情勢やブロックチェーン技術についての調査・コンサルタント業務に従事。
5年間の業務の後に、AI・ブロックチェーンのベンチャー企業に「マーケティング責任者(CMO)」として参画。

Web3.0、仮想通貨、AI活用などのマーケティング業務を行う。2年前に独立・起業。現在は、在宅で中小企業向け「DXコンサルタント」をしながら、黒猫とのんびり暮らしています。

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引用・参照元リンク集

まりか
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この記事の要約です♫

「サイバーセキュリティの基礎知識と事例・対策」について、できるだけ分かりやすくお伝えしてます。サイバー攻撃の脅威は年々高まり、その手口も複雑化・巧妙化しています

こんにちは。フリーランスのDXコンサルタントをしている、まりかです。

みなさんは、「サイバーセキュリティ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 最近ではニュースなどでもよく耳にするようになりましたね。でも、サイバーセキュリティって何なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

私は以前、外資系大手証券会社でアナリストとして海外情勢やブロックチェーン技術の調査・コンサルタントを務め、その後はAI・ブロックチェーンのベンチャー企業でマーケティング責任者(CMO)として働いてきました。現在はフリーランスのDXコンサルタントとして、Web3.0、仮想通貨、AI活用、ブロックチェーン、NFT、投資などの分野で活動しています。

そんな私の経験からすると、これからの時代、サイバーセキュリティの知識は本当に大切だと感じています。インターネットが発達し、私たちの生活のあらゆる場面でデジタル化が進む中で、サイバー攻撃のリスクは年々高まっているんです。

個人情報の流出、不正アクセス、ランサムウェア、フィッシング詐欺など、聞いたことがある言葉もあるのではないでしょうか。でも、それらの言葉の意味や具体的にどんな脅威なのか、対策方法は何なのかまでは知らない方が多いかもしれません。

そこで今回は、サイバーセキュリティの基礎知識について、私なりにわかりやすく解説していきたいと思います。事例や対策のポイントもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

これからサイバーセキュリティを学んでいきたいという方にも、日頃から気をつけたいという方にも、役立つ情報が得られるはずです。それでは、さっそくみていきましょう!

目次

第一部:サイバーセキュリティとは?基本的な概念と重要性

サイバーセキュリティの定義

サイバーセキュリティとは、インターネットをはじめとするコンピュータやネットワークのセキュリティを守ることを指します。具体的には、コンピュータウイルスや不正アクセス、情報漏えいなどのサイバー攻撃から、システムやデータを保護する対策全般のことを言います。

サイバー攻撃は、個人や企業、政府機関など、あらゆる対象に行われる可能性があります。攻撃者の目的は様々で、金銭的利益を得ることや、機密情報を盗むこと、サービスを停止させることなどがあります。

なぜサイバーセキュリティが重要なのか

私たちの生活は、インターネットに深く依存しています。オンラインショッピング、インターネットバンキング、ソーシャルメディアの利用など、多くの場面でデジタルサービスを利用しているのが現状です。それに伴い、個人情報を含む大量のデータがネット上で取り扱われるようになりました。

そのため、サイバー攻撃によってデータが流出したり、サービスが停止したりすると、大きな被害につながります。個人情報の漏えいは、プライバシーの侵害だけでなく、なりすましや詐欺など二次被害のリスクもあります。企業にとっても、顧客データの流出は信用の失墜につながり、業績に大きな影響を与えかねません。

さらに近年は、重要なインフラがコンピュータシステムで制御されていることから、サイバー攻撃はより深刻な脅威となっています。電力、ガス、水道、交通機関などのインフラがサイバー攻撃を受けた場合、社会に与える影響は計り知れません。

2021年には、アメリカの石油パイプライン会社「コロニアル・パイプライン」がランサムウェア攻撃を受け、パイプラインが一時停止する事態が発生しました。これにより、アメリカ東海岸で大規模なガソリン不足が起きるなど、サイバー攻撃が現実の社会に大きな混乱を引き起こした一例と言えるでしょう。

このように、サイバーセキュリティは私たち一人一人の問題であると同時に、社会全体の大きな課題でもあるのです。だからこそ、サイバー攻撃の手口や対策について理解を深め、日頃からセキュリティ対策を怠らないことが何より大切だと、私は考えています。

サイバーセキュリティを脅かす要因

では、サイバーセキュリティを脅かす要因には、どのようなものがあるのでしょうか。大きく分けると、技術的な脆弱性と人的な脆弱性の2つがあります。

技術的な脆弱性とは、コンピュータシステムやソフトウェアの設計上の欠陥や、古いバージョンを使い続けることによって生まれるセキュリティホールのことです。OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションのアップデートを適切に行わないと、攻撃者に狙われやすくなります。

一方、人的な脆弱性とは、ユーザー側の意識の低さや、知識不足に付け込まれることで起こる問題です。たとえば、ウイルス付きのメールの添付ファイルを開いてしまったり、安易なパスワードを設定していたりするケースが挙げられます。

そのほかにも、組織内部の不正行為や、サービス提供者の管理不足など、様々な要因が複合的に絡み合ってセキュリティ問題を引き起こすことがあります。

大切なのは、技術的対策と人的対策の両面から、多角的にアプローチしていくことだと言えるでしょう。システムの脆弱性を減らす努力と同時に、一人一人がセキュリティ意識を高め、日頃から適切な行動を心がけることが求められます。

次の第二部では、サイバー攻撃の具体的な手口について見ていきたいと思います。

第二部:サイバー攻撃の種類と事例

サイバー攻撃には、様々な手口や種類があります。ここでは代表的なサイバー攻撃について、具体的な事例を交えながらご紹介します。

マルウェア(悪意のあるソフトウェア)

マルウェアとは、コンピュータウイルスやワーム、スパイウェアなど、悪意を持って作られたソフトウェアの総称です。メールの添付ファイルやWebサイト経由で感染し、データの破壊や情報の窃取を行います。

2017年には、「WannaCry」というランサムウェアが世界中で猛威を振るいました。これに感染すると、パソコン内のファイルが暗号化されてアクセスできなくなり、身代金を支払わないとファイルを元に戻せないという脅迫メッセージが表示されるのです。

この攻撃では、150カ国以上で30万台ものコンピュータが被害を受けたと報告されています。大学や病院、企業など、様々な組織が感染し、業務に大きな支障が出る事態となりました。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、金融機関やサービス事業者などを装ったメールを送りつけ、個人情報やクレジットカード情報などを不正に取得する手口です。メール本文の URL をクリックさせて、偽のWebサイトに誘導し、IDやパスワードの入力を促します。

国民生活センターによると、2021年のフィッシング詐欺による被害額は約11億円に上ると公表されています。送信元のアドレスやWebサイトのURLをよく確認する、安易にリンクをクリックしないなど、普段から注意が必要です。

DDoS攻撃

DDoS攻撃は、大量のアクセスをサーバーに集中させて、サービスを利用不能にさせる攻撃手法です。攻撃者は複数のコンピュータをウイルスに感染させ、遠隔操作できるようにします。そして、それらのコンピュータから一斉にサーバーにアクセスを行わせることで、サーバーの処理能力を超えて機能停止に追い込むのです。

2016年10月には、アメリカのDNSサービス大手の「Dyn」がDDoS攻撃を受けました。これにより、Twitter や Spotify、Airbnbなど、Dynのサービスを利用する多くの大手Webサイトが一時的にダウンしてしまったのです。攻撃のピーク時には、毎秒1.2テラビットものトラフィックが発生したと報告されています。

SQLインジェクション

SQLインジェクションは、Webアプリケーションのセキュリティ上の欠陥を突いて、データベースのデータを不正に操作する攻撃です。攻撃者は、Webサイトの入力フォームなどから、悪意のあるSQL文を注入します。

適切な対策を行っていないと、データベース内の情報を盗み出されたり、改ざん・削除されたりする可能性があります。2011年には、ソニーのプレイステーションネットワーク(PSN)がSQLインジェクションによる攻撃を受け、7700万人分の個人情報が流出する事態となりました。

標的型攻撃

標的型攻撃は、特定の企業や組織、個人を狙って行われる攻撃です。事前に標的について入念に調査し、その組織になりすましたメールを送りつけるなどして、機密情報の窃取を狙います。

日本でも、大手企業や政府機関などが標的型攻撃による被害を受けるケースが報告されています。2015年には、日本年金機構の職員が、標的型メールの添付ファイルを開いたことから、約125万件の年金情報が流出する事件が起きました。メールの送信元が怪しいと感じたら、安易に添付ファイルを開いたりせず、送信者に確認を取るなどの対策が大切です。

サイバー攻撃の手口は、年々巧妙になっているのが実情です。私たちは、最新の動向をしっかりと把握し、セキュリティ対策を継続的に見直していかなければなりません。

さて、次の第三部では、サイバー攻撃の被害を防ぐために、個人や組織にできる具体的な対策を見ていきましょう。

第三部:サイバー攻撃への対策方法

サイバー攻撃から身を守るためには、日頃からセキュリティ対策を怠らないことが大切です。ここでは、個人と組織それぞれにできる具体的な対策方法をご紹介します。

個人でできるサイバーセキュリティ対策

まず、個人レベルで取り組める対策として、以下のようなポイントが挙げられます。

1. OSやソフトウェアを最新の状態に保つ

コンピュータやスマートフォンのOSは、常に最新のバージョンにアップデートしましょう。セキュリティ上の脆弱性を修正するためのアップデートが随時提供されています。古いバージョンのままだと、攻撃者に狙われやすくなります。使用しているソフトウェアも同様に、最新版に更新することを心がけましょう。

2. ウイルス対策ソフトを導入する

信頼できるセキュリティベンダーのウイルス対策ソフトを導入し、定期的にウイルススキャンを実行することをおすすめします。未知のウイルスにも対応できる「振る舞い検知」機能を備えた製品を選ぶと、より安心です。

また、無料のアンチウイルスソフトでも、一定の効果は期待できます。Windows 10に標準搭載されている「Windows Defender」は、無料で基本的なウイルス対策が行えます。

3. 強力なパスワードを設定する

クラウドサービスやWebサイトを利用する際は、推測されにくい強力なパスワードを設定しましょう。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた長めのパスワードがおすすめです。

同じパスワードを複数のサービスで使い回すのは避けましょう。また、パスワードは定期的に変更することが望ましいです。管理が面倒な場合は、パスワードマネージャーの利用も検討してみてください。

4. 怪しいメールやリンクに注意する

送信元が不明なメールや、おかしな日本語表現のメールには注意が必要です。添付ファイルを開いたり、本文中のリンクをクリックしたりしないよう気をつけましょう。

企業や公的機関を装った詐欺メールも多く出回っています。不審に感じたら、公式サイトで情報を確認するなど、慎重に対応することが大切です。

5. 公衆無線LANの利用に気をつける

カフェや駅などの公衆無線LANは、暗号化されていないため、盗聴される恐れがあります。機密情報のやり取りは控えめにし、クレジットカードの利用などは避けた方が無難です。どうしても利用する必要がある場合は、VPN(Virtual Private Network)を使って通信を暗号化するのがおすすめです。

組織でできるサイバーセキュリティ対策

つづいて、企業など組織として取り組んでおきたい対策をご紹介します。

1. セキュリティポリシーの策定と運用

組織全体で統一的なセキュリティ対策を行うためには、セキュリティポリシーの策定が欠かせません。情報資産の管理方法、従業員が守るべき行動規範、インシデント発生時の対応手順などを明文化し、周知徹底を図ることが重要です。

策定したポリシーが形骸化しないよう、定期的に見直しを行い、最新の脅威に対応できるよう改善していくことも必要でしょう。

2. 従業員への教育・啓発活動

サイバー攻撃による被害の多くは、従業員の不注意やセキュリティ意識の低さに起因します。パスワードの適切な管理方法、不審なメールへの対処法など、従業員向けの教育・啓発活動を継続的に実施しましょう。

せっかく教育を行っても、時間が経つと忘れてしまうものです。年に1回程度の研修だけでなく、日常的に注意喚起を行うことが大切だと考えています。

3. ネットワーク・システムの脆弱性診断

自社のネットワークやシステムに潜む脆弱性を発見し、修正するために、定期的な脆弱性診断を行うことをおすすめします。診断ツールを使った自動スキャンと、手動での診断を組み合わせるのが効果的です。

見つかった脆弱性は、優先度に応じて計画的に対処していきましょう。特に、インターネットに公開しているサーバーやWebアプリケーションは、細心の注意を払って管理する必要があります。

4. インシデント発生に備えた体制の整備

万が一、サイバー攻撃によるインシデントが発生した際、被害を最小限に抑えるためには、迅速な対応が求められます。インシデント対応チームを編成し、連絡体制や初動対応手順などを事前に整備しておきましょう。

インシデントの検知から対応、事後の再発防止策の立案に至るまでのプロセスを文書化し、定期的に訓練を実施することも大切です。外部のセキュリティ専門家と協力関係を築いておくのも有効でしょう。

5. データのバックアップ

ランサムウェアによる被害では、データが暗号化されて使えなくなるケースがよく見られます。そうした事態に備え、重要なデータは定期的にバックアップを取っておくことが欠かせません。

バックアップは、オンラインストレージだけでなく、オフラインの外部媒体にも保存するのがベストです。また、バックアップデータからの復元手順を確認しておくことも忘れずに。

以上、個人と組織に分けて、サイバー攻撃への具体的な対策方法を見てきました。ポイントは、脅威を正しく理解し、日頃から地道な対策を積み重ねていくことだと言えます。

一朝一夕ではできませんが、一人一人が意識を高め、組織全体で取り組みを継続していくことが何より重要です。

次の第四部では、最新のサイバーセキュリティ動向について触れつつ、これからの課題についても考えていきたいと思います。

第四部:サイバーセキュリティの最新動向とこれからの課題

サイバー攻撃の脅威は、常に変化し続けています。攻撃者の手口は巧妙になり、新しい技術を悪用する事例も後を絶ちません。ここでは、サイバーセキュリティの最新動向を踏まえつつ、これからの課題について私見を交えながら考えてみたいと思います。

サイバー攻撃の巧妙化と攻撃対象の広がり

近年のサイバー攻撃の特徴として、フィッシング詐欺の手口の巧妙化が挙げられます。以前は、不自然な日本語表現や明らかにおかしなURLに気づけば避けられましたが、最近では、本物そっくりの偽サイトが増えており、見分けるのが難しくなっています。

また、SNSを悪用した新手の詐欺も登場しました。友人や知人になりすまして、「緊急で資金が必要」などと持ちかける手口です。SNSでのやり取りは気が緩みがちですが、不審なメッセージには細心の注意が必要です。

攻撃対象も、企業や官公庁だけでなく、病院や学校など、より広い範囲に及ぶようになりました。テレワークの普及で、自宅のパソコンがターゲットになるケースも増えています。サイバーセキュリティは、もはや一部の人だけの問題ではなくなったのです。

ランサムウェア攻撃の増加と二重脅迫

2021年には、ランサムウェア攻撃による被害が相次ぎました。身代金の要求額は年々高額になり、数億円単位の被害も珍しくありません。最近は、「二重脅迫」と呼ばれる手口も確認されています。

通常のランサムウェアは、データを暗号化して身代金を要求するものでした。しかし、二重脅迫では、データを盗み出した上で、身代金を支払わなければデータを公開すると脅迫するのです。身代金を払っても、データを公開されるリスクは残るため、より悪質な攻撃だと言えます。

こうした攻撃に備えるには、データのバックアップに加え、普段からログを監視し、不審な兆候を見逃さない習慣が大切だと考えます。

サプライチェーン攻撃のリスク

自社のセキュリティ対策は万全でも、取引先など関係するサプライチェーンの一部が狙われ、そこから侵入されるリスクが高まっています。実際、大手ITベンダーが提供するソフトウェアの脆弱性を突かれ、そのソフトウェアを利用する多数の企業が被害を受ける事例が発生しました。

サプライチェーン全体のセキュリティ強化が急務と言えます。取引先のセキュリティ対策状況を定期的にチェックしたり、システム間の接続ポイントを適切に監視したりするなど、社内だけでなく社外との連携も視野に入れた対策が必要でしょう。

セキュリティ人材の育成と確保

DXの加速とともに、サイバーセキュリティ人材の需要が高まっています。しかし、セキュリティエンジニアやインシデントハンドラーといった専門人材は慢性的に不足しており、人材の育成と確保が大きな課題となっています。

企業には、社内でセキュリティ人材を育てる取り組みが求められます。若手社員への教育プログラムの充実や、キャリアパスの明確化などを通じて、魅力あるセキュリティ人材を増やしていく必要があるでしょう。

加えて、セキュリティ業界全体で人材交流を促進し、ノウハウを共有していくことも大切だと考えます。経験豊富な人材が組織の枠を超えて活躍できる土壌を作り、業界全体のレベルアップにつなげていくことが肝要です。

まとめ

サイバー攻撃のリスクは、年々増大の一途をたどっています。攻撃者の手口は進化を続け、私たちのデジタル社会の根幹を揺るがす脅威となっているのです。

こうした中で、サイバーセキュリティの重要性は一層高まっていくでしょう。個人も組織も、自分事として真剣に向き合い、対策に取り組んでいかなければなりません。

特に、ゼロトラストセキュリティの考え方に基づく、より細やかな認証・認可の仕組みづくりや、AIを活用した異常検知など、先進技術を積極的に取り入れていくことが肝要だと考えます。

同時に、サイバーセキュリティは技術だけの問題ではありません。経営戦略の一環として捉え、リスクマネジメントの視点から体系的にアプローチしていく姿勢が問われます。

これからも変化を続けるサイバーセキュリティの動向から目を離さず、「備えあれば憂いなし」の精神で不断の努力を重ねていく。それが、デジタル時代を生き抜くための私たち一人一人の責務ではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。サイバー攻撃の脅威と対策について、理解を深めていただけたなら幸いです。一人でも多くの方がサイバーセキュリティ意識を高め、安全安心なデジタル社会の実現につなげていただければと願っています。

よくある質問

Q1. サイバー攻撃の被害に遭ったかどうか、どのように判断すればよいですか?

サイバー攻撃の兆候として、以下のような症状が挙げられます。

  • パソコンの動作が急に遅くなった
  • 身に覚えのないソフトウェアがインストールされている
  • ファイルが勝手に暗号化され、身代金を要求するメッセージが表示された
  • クレジットカードの不正利用の連絡が来た

こうした症状が見られたら、サイバー攻撃による被害を受けた可能性が高いと考えられます。

まずは、ネットワークからパソコンを切り離し、被害の拡大を防ぐことが大切です。その上で、セキュリティベンダーに連絡を取り、適切な対処方法について相談しましょう。個人情報の流出が疑われる場合は、警察にも通報する必要があります。

Q2. スマートフォンをサイバー攻撃から守るには、どのような対策が有効ですか?

スマートフォンも、パソコン同様にサイバー攻撃のターゲットになります。スマートフォンを守るポイントは以下の通りです。

  • OSを最新のバージョンに更新する
  • 信頼できるアプリだけをインストールする
  • アプリの権限設定を適切に管理する
  • 公衆無線LANの利用は控えめにする
  • 端末にロックをかける

特に、アプリのインストールは慎重に行いましょう。公式ストア以外からのインストールは避け、アプリの権限設定にも注意が必要です。

また、盗難・紛失に備えて、遠隔からデータを消去できる「リモートワイプ」機能の利用も検討してみてください。

Q3. ウイルス対策ソフトは本当に必要ですか?無料のソフトでも大丈夫でしょうか?

ウイルス対策ソフトは、サイバー攻撃による被害を防ぐ上で、重要な役割を果たします。オンラインバンキングなど、機密性の高い情報を扱う場合は特に、信頼できる有料ソフトの導入をおすすめします。

無料ソフトでも、基本的なウイルス検知・駆除の機能は備えています。しかし、最新の脅威に対するアップデートが遅れがちという欠点もあります。セキュリティレベルを高く保ちたいなら、できれば有料ソフトを選ぶのがベターだと言えるでしょう。

大切なのは、ウイルス対策ソフトを導入して安心するのではなく、ソフトを最新の状態に保ち、定期的にスキャンを実行することです。ウイルス対策を日頃の習慣として定着させることを心がけましょう。

Q4. サイバー攻撃は本当に他人事ではないのでしょうか? 個人が狙われるリスクはあるのですか?

確かに、大企業や官公庁など、大きな組織がサイバー攻撃の主なターゲットになってきました。しかし最近では、個人をねらった攻撃も増えています。メールやSNSを使った標的型攻撃により、気づかないうちに個人情報を盗み取られたり、金銭被害に遭ったりするケースが後を絶ちません。

特に、ランサムウェアによる被害は、個人のパソコンでもよく見られます。バックアップを取っていないと、大切なデータを失うリスクがあります。

サイバーセキュリティは、企業だけでなく、個人にとっても他人事ではありません。むしろ、一人一人がリスクを認識し、できる対策を講じることが、社会全体のセキュリティ向上につながるのです。

Q5. サイバーセキュリティについて、最新の情報をキャッチアップするには、どうすればよいですか?

サイバーセキュリティの分野は、移り変わりが激しいのが特徴です。常に最新の動向を追っていくためには、以下のような方法が有効でしょう。

  • セキュリティベンダーのブログや公式サイトをチェックする
  • セキュリティ関連のメディアを定期的に読む
  • セキュリティカンファレンスに参加する
  • SNSでセキュリティエキスパートをフォローする
  • 関連書籍を読んでキャッチアップする

自分に合った方法を見つけ、継続的に情報を収集していくことが大切です。一度学んだきりではなく、常にアンテナを高くして、新しい脅威についても理解を深めていきたいものです。

以上、サイバーセキュリティに関する代表的な質問について取り上げました。他にも疑問点があれば、セキュリティベンダーや専門家に積極的に相談することをおすすめします。自身の理解を深め、一つずつ対策を実践していくことが、サイバー脅威に立ち向かう第一歩となるはずです。

まとめと感想

さて、ここまで「サイバーセキュリティの基礎知識と事例・対策」について、できるだけ分かりやすくお伝えしてきました。サイバー攻撃の脅威は年々高まり、その手口も複雑化・巧妙化していることを実感していただけたのではないでしょうか。

サイバー攻撃は、もはや他人事ではありません。個人であれ組織であれ、デジタル社会に生きる私たち一人一人に関わる問題なのです。大切なのは、リスクを正しく認識し、日頃から備えを怠らないこと。そして、何より、一過性の取り組みに終わらせず、継続的にセキュリティ対策に取り組む姿勢を持つことだと考えます。

こうした問題意識を持つようになったのも、私自身がサイバーセキュリティの最前線で仕事をしてきた経験があるからです。外資系証券会社やベンチャー企業で培った知見を生かし、読者の皆さんに少しでも役立つ情報をお届けできていれば幸いです。

今回は基礎的な内容が中心でしたが、サイバーセキュリティの世界は奥深く、日々新しいトピックが登場しています。ゼロトラストセキュリティ、クラウドセキュリティ、AIを活用したサイバー防御など、本稿で触れられなかった最新動向についても、ぜひ関心を持っていただければと思います。

情報セキュリティ大学院大学の調査によれば、日本のサイバーセキュリティ人材は、2020年時点で約19万人不足していると言われています。今後、デジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる進展とともに、セキュリティ人材の需要はますます高まるでしょう。サイバーセキュリティをキャリアの選択肢の一つとして考えてみるのも面白いかもしれません。

世界を見渡せば、サイバー空間は国家安全保障の問題とも密接に関わるようになりました。サイバー攻撃は、軍事活動や経済活動にも大きな影響を及ぼし得る時代になったのです。私たち一人一人が担う責任は小さくありません。みんなで力を合わせ、安心・安全なサイバー空間を次世代に引き継いでいく。それが、これからのデジタル社会を生きる私たちの使命だと感じずにはいられません。

最後に、読者の皆さまへ。サイバーセキュリティは難しいと思われがちですが、ポイントを押さえれば、それほど難しくはありません。まずは身近なところから対策を始めてみてください。パスワードの強化、ソフトウェアのアップデート、怪しいメールへの注意など、一つ一つ小さな積み重ねが、やがて大きな防御の力になるはずです。そして、周りの人たちにもその輪を広げていってほしい。私たちの暮らしとビジネスを脅かすサイバー攻撃に、みんなで立ち向かっていきましょう。

自らの経験と学びを振り返りつつ、読者の皆さまにエールを送らせていただきました。お読みいただき、本当にありがとうございました。今後ともサイバーセキュリティの最新動向を追い続け、皆さまのお役に立てる情報を発信し続けたいと思います。それでは、また別の機会にお会いしましょう。

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